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講演・セミナー

S&P ETFコンファレンス2009報告(その1)

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先日のスタンダード&プアーズ主催のETFコンファレンスに関する続きです。

前回までの記事:
S&P ETFコンファレンス2009に参加しました

今回は東証・斉藤社長の基調講演に関してメモを元に要約していこうと思います。

私自身、先進国の株価指数(MSCI KOKUSAI)に連動する海外ETFが東証に上場されれば、流動性に関しては未知数ではありますが、為替コストを投資家が負う事なく、(恐らく)低コストな信託報酬率にて外国株式クラスへ投資が可能になり、投資家に取って大きなメリットになりうるのではないかと考えています。またMSCI KOKUSAIに連動するETFが上場する事で、同指数に連動するインデックスファンドの信託報酬の低下も期待できます。

今回、東証のETFの取り組みと今後の方向性についての講演をされるという事で、何かある程度具体的な方向性が見えるのではないかと東証・斉藤社長の講演は注目していました。

その期待に応える講演だったのか否か?
要約にいってみましょう!

※当日取ったメモが頼りなので、細かい部分でスピーチの内容とずれている場合があるかもしれませんが、ご了承ください。もし大きく異なっている部分がありましたら、東証の方もしくはモンチさんコメントください。

基調講演要約ここから

本日は東証のETFに対する取り組みと今後の方向性について話す。

1)バックグランド
昨年は投資家、市場を運営するものにとって大変厳しい環境であった。
日本の報道だけを見ていると、むしろ酷くなっている様な報道もあるが、世界全体を見ると、関係者の努力によって信用不安は沈静化に向かっていると認識しているが、複雑な金融商品を駆使した運用手法の限界によって大手運用機関が破綻に追い込まれ、マーケットが激しく収縮する、未曾有の金融危機であった。

このような激動する市場環境の中で、ETFは現在注目を集めている。
投資家にとって、低コストで効率的な分散投資が可能で、上場取引所においてタイムリーな価格で取引ができる、すなわち流動性が確保されている商品である。

商品の利便性が理由と思われるが、ETFの取引手数料に優遇をはかる証券会社も出て来ている。また、ETFの取引のみを目的とした証券会社の口座を新たに開設する投資家も増えて来ている。

日経新聞が集計した東証、大証のETFの投資主体別売買動向によると2008年に個人はETFを1,268億円買い越した。投資家がリスク回避的な行動を強めている中で、これはETFの利便性に注目した投資家が増えているという事ではないか?

一方海外に目を向けると、ETF先進国と呼ばれるNY取引所には幅広い商品性を持ったETFが1,000銘柄以上上場している。ETFマーケットに対する関心が高まっている状況は日本もNYも同じと思われるが、上場銘柄数に象徴されるように、現時点ではマーケットの発展状況に大きな差があり、日本の投資家が得られる便益はアメリカの投資家に比べると限定的。

既に欧米ではETFマーケットの多様化が進展していて、株式以外の有価証券に投資するETFや商品や商品デリバティブに投資するETFが数多く上場されている。
これらの状況を踏まえて東証は日本の投資家の利便性を向上すべくETFマーケットを発展させていくべく努力をしていかなければならないと認識している。

注目を集めているETFではあるが、この状況はここ1,2年になってからの事。新聞報道等でETFという単語が掲載される事が珍しくなくなったというのもこの1,2年になってから。


2)東証の取り組み
国内のETFという商品そのものは非常に長い歴史を持っていて、1995年に上場した日経300連動型投資信託が先駆け。
それから間が空き、2001年TOPIXや日経平均と言った総合的な株価指数に連動するETFが上場。

それ以降は、東証の努力が足りなかった面も大きいが、日本の投資家へのETFの提供が十分でなかった。また、法規制もあり、欧米の様な多様なETF商品を組成することができず、新しい商品の動きが一旦完全に停止した。

日本が出遅れていた理由は大きく次の2点の規制が影響。
i)金融庁による指数の告示指定を受けなければならなかった。そのため機動的な商品組成ができない状況であった。役所が許可しないと商品ができないという日本独特の構造を持っていた。
ii)株価指数以外の指数に連動する商品を作る事は許されていなかった。これにより商品や商品デリバティブはもちろんの事、REITや債券を投資対象とするETFも組成する事ができなかった。

昨年、金融庁の金融市場強化プランの1項目としてETFの多様化が掲げられ、投資信託法をはじめ、関連法令が改正。

2008年6月:投資信託法の政府令が改正され、指数の告示指定制度の解除が行われた。株式以外の有価証券に拡大。これによりETFを機動的に組成する事が可能になり、REITや債券を投資対象とするETFを組成可能に。

2008年12月:投資信託法が改正され、商品先物や商品デリバティブ等を対象とするETFの組成が可能になった。

このような政府や市場関係者の取り組みのおかげで、東証のETFマーケットにも多種多様なETFが上場して来ている。

2007年末には12銘柄だったETFが2008年1年間で46本増えて、現在合計58本上場している。

新しく上場したETFを振り返ってみると、
2007年:日本初の外国ETFである 韓国の株価指数に連動するETFが上場。
2008年:大中小の規模別指数、17の業種別指数、新興企業指数、J-REIT指数に連動するETFが上場、投資家の海外資産への投資の関心の高まりを受け、中国、ブラジルなどの新興国株価指数に連動するETFが上場して来ている。
2008年6月:ステートストリートグローバルアドバイザーズが組成した金現物に投資を行うETFである、SPDRゴールドシェアが上場。その後、S&P GSCI商品指数に連動するETFが上場した。


3)今後の方向性
このように数年前と比べると東証におけるETFの品揃えは質、量共に格段に改善してはいるものの、まだ外国に比べるとまだ拡大の余地があると考えている。新興国やコモディティーのエクスポージャーを先進国の証券取引所で取れるという利便性があると思われる。
東証としては、ETFの品揃えをよりいっそう充実させ、投資家の選択肢を広げ、より効率的な資産形成に貢献できるよう努力していかなければならないと考えている。

SSgAとBGIは日本のETF市場の発展に多大な貢献をして来てくれた。今後もETF市場の発展に関して協力をしていって頂きたい。

東証は中期経営計画において2010年度までにETF100本の上場を目標に掲げている。ETFのラインナップを充実させる事はもちろんの事、それと同時に投資家保護に注意しながら流動性を透明性を確保しつつ日本のETFを発展させていきたい。

要約ここまで



どうでしたでしょう?私としては全く期待を裏切られた感じです。
以前から東証が掲げていた2010年までに100本のETFの上場という具体的な”数値目標”は出てきたものの、どんな商品性のETFを上場させたいとか、どんなジャンルのETFが現在足りていないかという現状分析もありませんでした。

これじゃあ、「東証はどんな商品でもいいから取りあえず100本上場させたいんだ」、「質より量なんだ」と言っている様なものです。

野村AMのNEXT FUNDS業種別ETFや大和投信の業種別ETFの低い出来高を見れば判るように、量より質が大切なのは自明です。この辺りをしっかり考えて欲しいものです。

講演を聴いていて非常に腑に落ちない気持ちで一杯だったので、質疑応答の際に質問をしようかと思いましたが、斉藤氏は質疑応答には参加せずに退席。

ビジョンも何もない講演、質疑応答なしという結果に一層もやもやを心にためる結果になったのでした。

(つづく・・・)
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2 Comments

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モンチ  

2009-02-11 14:04

詳細なレポートお疲れ様です。
まさに、当日聞いてきた内容と同じです。 私のちょいメモにはキーワードと数字しか書いていないんですが、全て網羅されていました(^^;、ビックリです。
その2以降も楽しみにしていますね。

EDIT  REPLY    

yb  

2009-02-11 21:53

>モンチさん

コメントありがとうございます。
大きく異なっていないとの事、安心しました。

他のセッションはハンドアウトがあったのですが、基調講演だけはハンドアウトがありませんでしたので、気合い入れてメモしておりました。

2以降は少し手抜きかもしれません・・・^^;

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