S&P ETFコンファレンス2009報告(まとめ)

長々と6回に渡ってお送りした特定投資家向けコンファレンス「S&P ETFコンファレンス2009 ~明日の金融サービスのために~」の報告も今回が最後になります。

前回までの記事:
S&P ETFコンファレンス2009に参加しました
S&P ETFコンファレンス2009報告(その1)
S&P ETFコンファレンス2009報告(その2)
S&P ETFコンファレンス2009報告(その3)
S&P ETFコンファレンス2009報告(その4)
S&P ETFコンファレンス2009報告(その5)

最後にまとめてみたいと思います。


1)機関投資家もETFに関する知識は少ない?
講演やパネルディスカッションを通して感じたことは、「日本の機関投資家もETFに関する知識は少ないのかも」ということです。

講演ではETFやパッシブ運用の基礎の基礎まで解説され、また、パネルディスカッションではGSの橋本氏が、「初歩的な教育からサポートしている」との発言があったり。機関投資家がETF市場を支えている欧米の状況とは異なっているのではないかという印象でした。

この点に関しては休憩時間にお話した竹川美奈子さんも「ETFの説明は本当に基本的なことからでしたねえ~」指摘されており、同様の印象を持たれていたのではないかと推察されます。

2)外国債券ETFが登場してくるかも?
S&Pセッションで話がありましたが、S&Pシティグループ・インターナショナル・トレジャリー・ボンド・インデックスの日本人向けバージョンを開発中だそうです。これに連動するETFが登場してくるかもしれません。

3)TOKやIVV、EFAなどメジャーなETFの重複上場は難しい?
・規制緩和でETFの最大のお客様である機関投資家が全世界のETFにアクセスできる
・機関投資家は個人投資家のように高い為替コストを払わないで済む
・外国の株式に連動したETFの中身は当然外国の取引所が開いている時間帯に取引されるので、ETF自体も適正な価格で取引される
・流動性が高い市場で売買した方がBid-Askスプレッドのコストは小さくできる
・重複上場すればETF運用会社にもコストが発生する

以上のような現状を考えると、機関投資家が国内取引所で取引する積極的な理由はありませんし、必然性もありません。
また同様にETFが重複上場してくる積極的な理由はありませんし、必然性もありません。

以前東証the IR Dayに行った際は東証のIR担当者が国内外運用会社に日参し、いくつかから前向きなお返事を頂いている旨のお話を伺いました。(関連記事:東証 the IR Day)
また、先日大証からメジャーな指数に連動するETFを上場させたい旨のコメントが出されていましたが、以上のような理由から重複上場というのは実現性が低くそうです。

関連リンク:
ETFインタビュー:先進国のメジャーな株価指数に連動するETFに投資家のニーズ=大証・大西氏(モーニングスター)
大証、先進国のメジャーな株価指数を対象としたETF上場についてコメント(梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー)
大証にETFについての意見を送信~!(カウンターゲーム)

残る道は国内運用会社がMSCI KOKUSAIに連動するようなETFを組成し、上場させることですが、こちらも適正なプライシングがされるか未知数です。また流動性が低ければBid-Askスプレッドも大きくなってしまう可能性があります。そうすると使いやすい商品になるかどうか疑問が残ります。

ロンドン取引所では米国株式に連動するETFも上場していますが、ロンドンとNYでは取引時間がかぶっていることもあり、プライシングもろもろが上手くいくのかもしれません。一方日本はどちらともかぶる時間帯すらありません。

例えばIVVのようなETFがGLOBEX S&P500のように活発に取引されるような市場に日本国内の取引所が変貌してくれるなら、重複上場や国内運用会社によるETFの組成・上場もありかと思いますが、現時点ではなかなか難しいでしょう。

そう考えると、現時点ではネット証券経由で海外市場で海外ETFを売買するのが現実的な解なのかもしれません。

コンファレンスに参加されていたモンチさんも、同様の感想を持たれたようです。

関連リンク:
日本の取引所に海外ETFが重複上場されない理由(小金持ち父さんの資産設計塾(?))

日本のETFマーケットの成熟にはまだまだ沢山のハードルがあるのだなあと感じさせられたコンファレンスでした。
残念な結論に至りましたが、私の中では吹っ切れた気がします。(ただ諦めただけかもしれませんが・・・)

今回を含めて全7回長々と書いてきましたが、お付き合いくださりありがとうございました。
主観的な判断も入っていますので、私の解釈とは全く違った方向に物事が進むかもしれませんが、私の解釈を含め、この報告が皆さまの何かのお役に立てば幸いです。

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[2009/02/14 16:32] 講演・セミナーコメント(2)トラックバック(0)URLTOP▲

コメント

力作ですね。

 なんかすごい大作をタダで読まさせていただきました。恐縮です。

 重複上場が無理ならネット証券での海外ETF特定口座扱いとかDRIPとかVT・ACWIが買えるようになるとかでちょっとずつでも進歩すればと思いますが。

 

2009/02/14(土)23:40| URL | doden #- [ 編集]

>dodenさん

そうですね。為替手数料の低減も仲間に入れて、ネット証券にはその辺でがんばっていってもらいましょう!

2009/02/16(月)21:56| URL | yb #- [ 編集]

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Macをこよなく愛し、年に2,3回物欲がふつふつと沸いてくるが妻に制されています・・・(涙)
ハーバード大留学するも、英語があまり上達せず焦っています・・・。

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「日経マネー 2014年7月号」(「1億円さん」に聞く 私はこうしてお金を殖やした) (2014/5)
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「日本経済新聞 2010年2月15日付」(27面家計欄)(2010/2)
「日経マネー2009年10月号」(内藤忍さんコラム)(2009/8)
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「日経ヴェリタス第43号(2009年1月4日発行)」(54面スマートライフ)(2009/1)
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「日経マネー 2008年4月号」(サラリーマン 資産倍増計画) (2008/2)
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