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有機合成化学はまだ発展途上

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今年のノーベル化学賞は、北大の鈴木先生と米パデュー大の根岸先生、そしてすでにリタイアされているが米国のHeck先生が「パラジウム触媒クロスカップリング反応の開発」への貢献として受賞された。

私が大学で学び、生業としている有機合成化学からの受賞であり、また、医薬化学研究者として、日常的に鈴木先生が開発された鈴木ー宮浦反応を用いているだけに感慨深いものがある。

もともとクロスカップリングという反応は、理研の玉尾先生と京大の熊田先生が初めて見出した(いわゆる玉尾ー熊田カップリング)。しかしながらその当時は反応性の高い有機リチウム試薬や有機マグネシウム試薬が用いられていたため、副反応も起こしてしまい、なかなか使いにくい反応であった。

この反応性の高い有機リチウム試薬や有機マグネシウム試薬を、比較的反応性がマイルドな有機ホウ素試薬や有機亜鉛試薬へ替えて、より安全で使いやすい反応にしたものが、今回の受賞につながった鈴木ー宮浦カップリングと根岸カップリングだ。

特に有機ホウ素化合物を用いる鈴木ー宮浦反応は、非常に使い勝手がよく、恐らく世界で最もよく用いられているクロスカップリング反応であろうと思う。

このクロスカップリングの分野、すでに報道されているように日本人の貢献度が高い分野で、今回受賞した先生の他にも非常に実用的なクロスカップリング反応を開発した日本人がたくさんいる。

パラジウムと銅を用い、アルキンとハライドをカップリングさせる薗頭反応、有機ケイ素試薬を用いる檜山反応などだ。今回受賞されたHeck先生の反応も、実は有機合成化学者の間では溝呂木ーHeck反応と言われているように日本人の貢献も大きいのだ。
ただ、数年前の野依先生の不斉還元反応もそうだが、ノーベル賞を受賞した反応でも作れないもの、制御できないものもまだ本当に多く存在する。

そういう意味では、有機合成化学というツールを用いれば創りたい化合物は何でも作れる状態かというと、それには遥かほど遠い。というのが現状だろう。

炭素と炭素の結合の仕方をいくつか開発してノーベル賞だ。
かたや人工授精という神の領域に近い仕事を生物医学の分野では成し遂げている。

もちろん今回受賞された反応も素晴らしい反応で、一歩一歩不可能を可能にしていくのが科学なのだろうが、やはり有機合成化学の無力さを痛感せざるを得ないと考えさせられた。
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