Vanguardファンドの税効率

売買コスト、保有コスト、税コスト。
投資の三大コストです。

米Vanguardのサイトを見ていたら、Vanguard Investment Strategies Groupのメンバーの一人で、ETF市場の分析と開発を行っているJoel Dickson氏のインタビューが掲載されていました。

Joel Dickson on mutual fund and ETF tax efficiency (米Vanguard, 英語サイト)

Joel Dickson氏はStanford大で税効率について講義をしており、今回のインタビューは三大コストのうち、ファンドの税効率にフォーカスを当てた内容になっています。

特に二つ目の質問以降は、個人投資家にとっても投資をする上で知っていて損はない内容になっていると思います。(但し、日本国内ではVanguardのインデックスファンドが売られていないので、ETFしか選択肢に入ってこないのが残念ですが・・・)

要約すると、


1. 税コストは、信託報酬率や売買コスト(投信では販売手数料)、顧問手数料などのコストと同様に、考慮しなければならないコストである。税コストはa)ファンドマネージャーなどがポートフォリオ管理のために潜在的にかかってくる税コストとb)投資家自身の投資判断によって生じる税コストの二つに大別される。

2. 税引後リターンは税引き前リターンから支払った税額を差し引いたものだが、税額を最小化することだけが税引後リターンを向上する訳ではない。税額を最小にするための戦略が税引き前リターンに影響を及ぼすのであれば、それは税引後リターンの向上には寄与しない。

3. Vanguardのファンドはマルチクラス構造をとっているため、他のファンドに比べて税効率がより高いと推察される。

4. ETFを含むインデックスファンドは税効率が高い可能性があるが、インデックス戦略がすべて税効率に優れているということは難しい。

5. 税効率を計る上でファンドの回転率がしばしば用いられるが、この回転率も不完全なもので、適切な尺度とならない場合がある。

6. 資産全体を考え、また、課税口座、非課税口座の特性を利用して税引後資産の最大化にフォーカスすべき。

ということでしょうか。
私はこのうち特に3に興味を持ちました。

3に関しては、Joelはこう解説しています。

”我々(Vanguard)はユニークなシェアクラス構造を開発した。このうちETFは伝統的なインデックスファンドの税効率性に主眼を置いた一つのシェアクラスに過ぎない。多くのシェアクラスを組み合わせていることは、ファンドの資金を大きくし、より幅広い分散や低コスト、牽いては、より高い税引き前のリターンをもたらすと考えている。

同時に、ETFの構造の中で用いられる現物償還(yb注:大口投資家が指定参加者(AP)を通してETFを解約する際、株式バスケットを受け取ること)と伝統的なシェアクラスにおける適切な税マネジメントを組み合わせることで、課税によるコストを和らげることができると信じている。伝統的なファンド構造では、ETFの現物償還では行うことができない損失を確定することができ、これはポートフォリオ管理によって生じる利益と相殺することができる。伝統的なミューチュアルファンドは一般的に償還請求に応じて株式を売却する際に選択できる多くの株式のロットを持っているので、ファンド保有者へ現金償還をする際にしばしばキャピタルロスを確定することができる場合がある。(Vanguardの)税マネジメントはシェアクラス単位で行われているのではなく、ファンド全体で行われているので、結果として、Vanguardのマルチクラス構造がすべてのシェアクラスの投資家に高い税効率性をもたらすのだ。”

ここで、マルチクラス構造とは下図の様な構造のこと。通常のETFが右のようであるのに対し、VanguardのETFは大きなファンドの一つのクラスなのです。

g_foreign_info110107_01_03a.gif


ざっくり言うと、Vanguardのビジネス特許であるマルチシェアクラス構造によって、規模による信託報酬の低率化だけでなく、税効率の向上にも寄与しているようです。さらに、これはETFに限ったものではなく、Vanguardのインデックスファンドにも言えることです。

Vanguardのファンド群には他にはない効率性が隠されているようですね。

関連記事


人気ブログランキング挑戦中!
人気ブログランキングに挑戦中!
記事が参考になりましたら1クリックお願いします^^




[2012/01/17 05:05] 投資信託コメント(0)トラックバック(0)URLTOP▲

コメント

コメントの投稿


秘密にする

«  | HOME |  »


月別アーカイブ

ブログ内検索

アクセスカウンター(since 2007/1/15)


※オンマウスで過去1週間のアクセス数を表示します

プロフィール

yb

Author:yb
44歳既婚・子1の個人投資家。共働き。インデックス運用を中心とした”受身な”投資でファイナンシャルインディペンデンス、早期リタイヤを目論んでいます。
Macをこよなく愛し、年に2,3回物欲がふつふつと沸いてくるが妻に制されています・・・(涙)
ハーバード大留学するも、英語があまり上達せず焦っています・・・。

Twitterでものんびりつぶやき中!
http://twitter.com/yb_passive

・メディア掲載履歴
「日経マネー 2014年7月号」(「1億円さん」に聞く 私はこうしてお金を殖やした) (2014/5)
「日本経済新聞 2013年3月6日付」(マネー&インベストメント面)(2013/3)
「BIG tomorrow 6月号」(お金に困らない生き方・稼ぎ方)(2011/4)
「日経マネー 2011年4月号」(幸せなお金持ちの習慣) (2011/2)
「内藤忍 お金の話をしませんか?」(日経マネームック)(2010/9)
「日本経済新聞 2010年2月15日付」(27面家計欄)(2010/2)
「日経マネー2009年10月号」(内藤忍さんコラム)(2009/8)
「しぶとい分散投資術」田村正之著(2009/2)
「日経ヴェリタス第43号(2009年1月4日発行)」(54面スマートライフ)(2009/1)
「日経マネー 2009年1月号」(自分年金1億円マニュアル)(2008/11)
「日経マネー 2008年4月号」(サラリーマン 資産倍増計画) (2008/2)
「日経マネー 2007年12月号」(定年までに1億円!使っても減らない資産の作り方) (2007/10)

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ybへの連絡はこちらから

名前:
メール:
件名:
本文:

おすすめ証券会社

マネックス証券

STAMシリーズ、eMAXISシリーズなど良質なインデックスファンドを取り扱っています。
3大ネット証券で海外赴任者に口座を継続させてくれるのはマネックスだけです。

楽天証券

メインビークルとして活躍しそうなiShares S&P500 Index Fund (IVV), iShares MSCI EAFE Index Fund (EFA), iShares MSCI Emerging Markets Index Fund (EEM), iShares MSCI KOKUSAI Index (TOK)をはじめ、超低コストな海外ETFの取扱は大手ネット証券ではNo.1! 日本の海外ETFにおけるリーダー的証券会社です。

SBI証券

なんといってもネット証券最大手!売買手数料が業界最低水準!
2007/06より海外ETFの取扱開始。FX経由で米国ETF購入用ドル資金を用意する事ができ、為替手数料は最低水準です!主要海外ETFは揃っています。

セゾン投信株式会社

市場ポートフォリオを低廉な信託報酬で提供するセゾン・バンガード・グローバルバランスファンドは毎月5,000円から積立可能!

ybの愛読投資本

ご注意事項

・当ブログにおける情報を元に投資判断を行い、それにより損失が発生しても管理人は責任を一切負えませんので予めご了承願います。投資判断はあくまで自己責任でお願いいたします。

・当ブログはアフィリエイトプログラムに参加しています。万が一アフィリエイトプログラムを通じて購入された商品によって損害が生じたとしても、管理人は一切責任を負えませんのでご了承願います。

・基本的にはコメント、トラックバックは全て掲載する方針ですが、公序良俗に反する、もしくは当ブログにそぐわない、または宣伝目的のみのコメント、トラックバックは管理人の判断で削除する場合がございます。予めご了承ください。