Fidelityさん、そのプランで本当に必要な老後資金が準備できますか?

WSJ.comに「退職時にどれくらいのお金の蓄えが必要か?」という趣旨の記事がありました。

When 'Eight' Isn't Enough − What's Your 'Magic' Retirement-Savings Number? (WSJ.com)

Fidelityの調査では、
・退職時の年間支出の8倍が必要。
・マイルストーンとして35歳時で年間支出と同額、45歳時で3倍、55歳時で5倍の蓄え。
・達成するために、”典型的な”サラリーマンで、25歳時に収入の6%の貯蓄から開始し、以後6年間で徐々に12%まで増やし、67歳まで継続する。

ということです。日本とは社会保障制度も違いますし、現在65歳までの雇用を義務付けようとしていますが、現時点では60歳定年ですので、状況は異なります。また、Fidelityは仮定条件として、蓄えた資産はかなり強気の年率5.5%(インフレ調整後3.2%)で運用できるとしていますので、マイルストーンや”6%の貯蓄から開始し・・・”という部分はあまり役に立たかいかもしれません。
また、退職時の年間支出の算出も、若い方にとってはインフレ率や結婚するかしないか、子供は持つか持たないか・何人持つか、将来の健康状態など不確定要素が沢山あるのでなかなか難しいです。

敢えて計算すると、仮に25歳時点で300万円の支出で生活している方が、Fidelityが仮定しているインフレ率2.2%で今の生活を維持して65歳を迎えた際の支出は720万円程度です。したがってこの方は退職時点で5,760万円の蓄えが必要で、これを達成するためには、仮に年5.5%のリターンで運用できたとすると、25歳時に6%からスタートし・・というプランを実行すれば良いということでしょう。

しかし、支出の8倍というのはひとつの目安になると思いますし、記事中で触れられているように、若い方の貯蓄への動機付けになると思われます。また、日本で語られている老後の必要額とそれほど目標額自体は現実と大きくかけ離れていないように感じられます。

でも、やっぱりちょっと5.5%の運用リターンはちょっと強気すぎますよね。これでは目標を達成できない可能性が高いのではないかと思います。


これに対して、Vanguardはかねてより、401kの会社拠出分なども含めて年収の12%〜15%を貯蓄していくことで、リタイアメントゴールに到達することができると言っています。

Vanguardの主張で、いくつか条件(インフレ率2.2%、年収の伸びはインフレ率と同率、運用リターン3%)を仮定し計算すると、支出300万円の25歳の方(可処分所得353万円)が可処分所得の14%を貯蓄したとして65歳時で5,600万円程度の蓄えができることになります。

インフレ調整後の運用リターン0.8%、インフレ調整後の年収の伸び0%とコンサバティブな仮定にして、バンガードの主張する比率を積み立てていけば、退職時の支出の8倍という金額にほぼ届くことになりますね。

しかし一方で記事では、8倍という金額では足りず、約10倍必要なのではないかと主張されています。そうなるとFidelityの主張する方法では(Vanguardの主張する方法でも)到底追いつかなくなりますね。もちろん、個人の状況、例えば子供が退職時に独立しているか、住宅ローン等の状況がどうかで倍数は大きく変わると書かれていますが。

日本では老後に約1億円が必要で、公的年金や退職金などを差し引いて自助努力で蓄えておかなければならない金額として3,400万円程度がしばしば提案されています。将来の年金額の減額や受給開始時期が遅くなる可能性を考慮すると、今の若い世代ではもう少し多い額が必要になってくると思われますが、それを考慮しても8倍という額は比較的リーズナブルであると考えられます。したがってVanguardの提案する方法で若い頃から積み立てていくのが賢明かなと私は感じています。

そもそも、65歳でいくら!という金額を設定し、それを元にブレイクダウンして必要なひと月あたりの積立額を決めてしまうと、インフレやバジェットの大きさによって変わってくるであろう必要金額に対応しにくくなってしまうデメリットがあると思います。一方、可処分所得の何%を貯蓄するという方法なら、バジェットの大きさ(≒生活の大きさ)やインフレ率などに寄らず幅広い人に適応可能なので、こちらのほうが汎用性があると思われます。

汎用性といっても、早期リタイアしたい方や退職後とびっきり贅沢な生活を送りたいと考えている方はVanguardが提案する方法よりももっと多くの蓄えが必要なわけで、万人に適用できるわけではないですがね。

まあ、何れにしても老後に必要なお金は大きなものなので、若いうちから蓄え始めておくことが大切ですね。

と色々とごちゃごちゃ書いておきながら、ありきたりな結論を書いて締めくくってみたりして(汗)

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[2012/10/07 01:46] 資産運用コメント(0)トラックバック(0)URLTOP▲

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Author:yb
44歳既婚・子1の個人投資家。共働き。インデックス運用を中心とした”受身な”投資でファイナンシャルインディペンデンス、早期リタイヤを目論んでいます。
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ハーバード大留学するも、英語があまり上達せず焦っています・・・。

Twitterでものんびりつぶやき中!
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・メディア掲載履歴
「日経マネー 2014年7月号」(「1億円さん」に聞く 私はこうしてお金を殖やした) (2014/5)
「日本経済新聞 2013年3月6日付」(マネー&インベストメント面)(2013/3)
「BIG tomorrow 6月号」(お金に困らない生き方・稼ぎ方)(2011/4)
「日経マネー 2011年4月号」(幸せなお金持ちの習慣) (2011/2)
「内藤忍 お金の話をしませんか?」(日経マネームック)(2010/9)
「日本経済新聞 2010年2月15日付」(27面家計欄)(2010/2)
「日経マネー2009年10月号」(内藤忍さんコラム)(2009/8)
「しぶとい分散投資術」田村正之著(2009/2)
「日経ヴェリタス第43号(2009年1月4日発行)」(54面スマートライフ)(2009/1)
「日経マネー 2009年1月号」(自分年金1億円マニュアル)(2008/11)
「日経マネー 2008年4月号」(サラリーマン 資産倍増計画) (2008/2)
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